東ノ川・奥西ノ谷 三つの滝を巻くのが恐かったぁ~【台高】7/21
2018年 07月 26日
ネットでのレポが3件しかアップされてないので情報量が少ない、沢ナビさんのレポでは沢2級となっている。
しかし、私には未だかつてないハイレベルな沢登りになりいい教訓となった。
上北山道の駅で前夜泊。22時半頃上の第二駐車場にテントを張る。意外にも私達だけである。
その後2台の車が奥へと止まった、明日前鬼川にでも行くのだろう。私達は翌日は5時半起床なので23時に床に就く。
気持ちよく眠っていたのに、下の道の駅から何やら人の話声がしてきた。
うるさくて眠れない。時計を見たらもう0時25分だ。いつまでしゃべってんねんと腹が立ってきた。
意を決して下へと行くと、なんとこんな時間に宴会中。神戸の某山岳会の50過ぎの男女6人ほどのグループだ。
(ヤマレコにアップされてますわ!少しでも睡眠時間取るために前夜泊して、翌日の山行に備えているのに、睡眠の妨げする山岳会が実在するんやねぇ、情けないたらありゃしない。by piccolo)
こんな時間に宴会しているなんて非常識すぎる、ましてや、私達が先にテントを張っていてその横を車で入ってきて道の駅を何度か往復するときにテント前を通過してテン泊してるのも承知のはず。
いい歳した人ばかりなのに、一人でもこんな時間だからやめときましょうって言える人はいないのか!、甚だ疑問だ。
友好的に"こんばんは"と言って近付くも、一人として迷惑かけていたかなんて気付かない様子。
えっ何ですか?みたいな態度だ。むかつく気持ちを抑えてうるさくて眠れない趣旨を告げる。
が宴会をやめる気配はない。声は小さくなったが取りあえずは眠りにつくことが出来た。
うっすら明るくなりかけた4時過ぎ、今度はヒグラシの大合唱が始まる。うるさい~~~こればっかりは自然のことなので仕方ない。
結局、寝不足だ。普段から寝つきはめちゃくちゃいいほうなのに、宴会なんかしてなかったらと思うとめちゃくちゃ腹が立つ!
朝食を食べ、テントを撤収して東ノ川奥西ノ谷へと向かう。
サンギリトンネルを抜けて左折、沢から登り上がって来る涸沢を横切る路肩に駐車する。
用意をして8時過ぎ、林道を下って行く。
いきなり結構危ないとこだ。木に掴まりながら根っこを掴みながら降りて行くと10m斜瀑上へと降り立った。
岩場の中の滝の景観、下見ても滝、後ろ見ても滝。凄い所に降り立ったなぁ。
感動もひとしお、入渓してすぐに恐怖を味わうとは・・・。
ハーケン持ってないけど、どうするのかな?
piccoloさんが下から3mくらいの位置にある岩に1個目のカムを噛ませたようだけど、2個目のカムが噛ませるところがない。
この先で左にルートを取って落ち口に向かうはずなんだけど、カムを噛ませるのを諦めたのか予定したルート取りじゃなく右上の斜面に向かって登り始めた。
斜面には細い木が3本生えていて、内2本にシュリンゲ&カラビナにザイルを通している。
斜面が少しハングしてるような雰囲気が伺えるが、なんとか突破してビレイザイルがスルスルと出て行った。
最後は小尾根の岩の上へと登り上がらないといけないが、ここでも凄く難儀しているのが見えるがなんとか登り上がった。
piccoloさんが難儀している所を私が行けるのか?!どうしたらいいのかと考えているうちに滝の落ち口へ姿を見せた。
ネットレポだと、あとはハーケンを2カ所打って落ち口の方へ登っているのでセカンドの人はすんなり登れているが、ザイルに繋がれながらもカムやシュリンゲを回収しないといけないのでpiccoloさんのルートで登って行く、カムまで後もう少しの所で登り上がれず手が届かない。
何度やっても滑る。冷静になれと自分に言い聞かせ、なんとかカムに届き回収。
次はシュリンゲの所だがここからもすんなり登り上がることが出来ない。
本当にまずい。どうしよう・・・とパニックになりかける。
ああ~~ここでパニック起こしても誰にも助けてはもらえない。呼吸を整え気持ちを落ち着かせクリアするのにかなりの時間を費やしたが目の前には難所の連続。
シュリンゲを通してある細い木を掴んでハングした岩を登り上がりたいが、足掛かりが見つからない。置けそうと思って置くと苔でどこも全部落ちて行く。
自分の体重を持ち上げるほど腕の力もなく上には行けない、下りる事もできず2度目のパニックになりかける。
こんな中途半端なところで片足しか置けない。
どうしよう、途方に暮れてても仕方がない。piccoloさんが指示しているがその通りには出来ない…足が疲れてくる。
腕の力が戻ったのでもう一回木と根っこも持って引き上がろうとするが、あともう少しの所で上半身を岩の上に乗せることが出来ず落ちる。
足の置き場さえあれば…左右にも行けないし…この区間で20分は経過しただろうか。
あっそうか!簡易アッセンダーに90cmのシュリンゲを取り付け足掛かりにしよう。
最初はうまく足が掛けられなくて、ここで終わってしまってはいけないと自分にハッパをかける。
と上手くシュリンゲに足が掛かり岩上へ上半身が乗った、ここから渾身の腕の力で岩上まで腰をあげ登ることが出来た。
やっと抜けた~、ああ~~神様ありがとうございます。でもまだ滝上ではない。
後3mほど滝の方に横移動しないといけないが、今ので力を使い果たしてフラフラだ。まだ危険個所から抜けていないのだ。
息を整え、もう岩に登り上がる力がないのでなんとかカニさん歩きで滝上へと辿り着け疲労困憊でヘトヘト~。
結局この滝の巻で40分位経過してしまった。
ここへ登ってくるのに時間が掛かり過ぎたので、体が熱くて水の中に浸かりたい。
ザックを下して飛び込むと気持ちいい~。そのまま廊下の所まで泳ぎ岩へ上がって6m滝の近くまで入り見学。
ここは登れないと判断、10m直瀑の左岸子尾根を登ることに。
沢へ降りて行くと幅広10m滝が見え、おお~気持ちよさそうな淵。とりあえず浸かる。
ここは直登、続く幅広8mも直登。直登できるのが楽しくてさっきまでの恐怖心を忘れる。
早速、ザックを下しハーネスも外してスライダーモード、動画を撮りながら滑って行く。水中メガネを付けて滑って行くがヘルメットのバンドが外れバランスを崩しながら淵にボチャン。
淵が深いのでずれたヘルメットを直せず前が見えない状態で岩場まで泳ぐ。
バンドをキチンと嵌め直して次こそはバランスよく滑りた~い。
ここの岩は凹凸なくツルツルなのでとてもお尻に優しい(^^♪
河原じゃなく滑だと歩きやすいが、小石ゴロゴロで歩きにくい。どこまで続くのというくらいなが~い。
ようやく渓相が変わり始め、徐々に岩場のフインキが良くなってくると目の前に30m滝の白い流れが見えてきた。
ここは左岸巻き、まず小さな釜をへつって左岸ルンゼに入ると言ったpiccoloさんが難なく通過、私はあとちょっとの所でドボンした。
乾いた岩のへつりはフェルトよりラバーソールが有利だね。
ルンゼの前が立ちはだかったので左の壁に登るが、見るからにここも恐怖の高巻き!、ぱっと見は手掛かり足掛かりがあり登れそうな壁だけど念の為ザイルで確保してもらう。緊張感が半端ない高度感。
結局3ピッチで尾根に登り、なんとか沢へと降り立つとそこは溝状廊下になっていた。は~恐かった。
何気に右岸を見たら30m上に石垣の道が見える。こんな所まで道が続いているんだ~。
ここまでの巻きは恐過ぎたけど、ここは手掛かり足掛かりがしっかりしていたのでラクに登れました。
すぐ上の2段6m滝を登って遡行終了~。
林道駐車地へ戻るには、少し戻った涸れ谷を標高150m登っていかないといけないので、汗だくになるだろうから最後に全身水に浸かり身体を冷やす。
右岸側には2本の石垣道があり、上の道を少し下流に戻るとそのまま涸れ谷へと導かれ、ドンピシャで駐車地へと出ることが出来ました。
まさかこれだけハイレベルな所だとは思ってもみなかった。
最初の10m直瀑の登りは、帰ってからああしたらよかった!こうしたらよかったと反省。
今後の為にも、凄くいい勉強になりました。