漢方薬に使われるさまざまな植物との出会いのお山歩き 【奈良県内】4/22
2023年 04月 29日



今日はとても良いお天気だ。
沢沿いを歩き始めて、ミヤマキケマンやムラサキケマンが咲いている。
ケシ科のキケマン属で全草に毒が含まれている。食べたりすると嘔吐する。

カタバミソウも白い蕾を付けている。この葉っぱは食べると酸っぱい。
葉の絞り汁が皮膚病に用いられる。

ニリンソウが先に一輪づつ咲き始めている。
葉や茎はおひたしにして食べられる。根茎を乾燥したものがリウマチの薬として使われる。

奥へと進んでいくと沢沿いの2m範囲内にだけワサビ(アブラナ科)が生えているのをpiccoloさんが発見。
新たにワサビが生えているところを発見でき、なんてラッキーなんだろう。


更に進んでいくとエンレイソウ(ユリ科)の花が咲いていた。去年は花を見られなかったので残念だったけど今回は花が咲いている時に来られてなんてラッキーなんだろう。
根茎を乾燥したものを煎じ、高血圧・神経衰弱などに用いる。果実は甘みがありそのまま食べられるらしい。まだ食べたことがない。

少し上の斜面にヤマウツボをpiccoloさんが発見。1m範囲内にしか生えていない。
葉緑素を持たず光合成をしない植物で光合成をする植物から養分をもらって生きる。
薄っすらピンクの花を沢山咲かせている。

可愛らしい小さな花もいろいろと咲いている。

ここの沢は深みのあるところを見ても水の色がブルーではないので石灰岩系の山ではないのかな。


キケマンに似ているヤマエンゴサクが薄紫の花を咲かせている。キケマンとは葉っぱの形が違う。鎮痛、駆瘀血(体の血の滞りを治す)作用があり、関節痛、腹痛、生理痛などの各種の痛みに用いる。漢方薬の材料としても使われている。

ハシリドコロも赤い花を咲かせている。よく毒草と聞くが根茎や根のエキス(ロートエキス)は消化液分泌抑制、鎮痙作用があり、胃痛、胃酸過多、消化性潰瘍の治療に用いられる。
トリカブトも生えだしている。小さい時の葉っぱの形がニリンソウに似ている。これも毒草と言われているが、附子と言われる漢方薬。

球根を乾燥させて、修治と呼ばれる弱毒処理を行って漢方薬の生薬となる。
新陳代謝機能の極度に減衰したものを回復させ、気をめぐらし冷えを除き、強心、利尿作用があり麻痺や疼痛を治す。附子(ぶし)はぶすとも言い、いわゆる「ブス」はトリカブトの毒を服用すると、筋肉が麻痺して顔が無表情になることからきていると言われているそうです。「ブス」の語源がトリカブトからきているなんてビックリです。

山の中の植物は生薬だらけだ。
そうやって考えると植物の樹皮・根・茎・葉・花(蕾や種)や樹液(汁)それぞれに薬効があり、いろんな植物でそれぞれの部位の薬効が共通していることがわかる。
どの部位が植物の成長にどんな役割を果たしているかで薬効が決まるんじゃないかな。

人間の体に病気として起こる作用は痛み、体液の滞り、硬化etcなど決まっているので植物のどの部位を使えばそれらを治癒できるか古代から経験で分かっていたんじゃないかと思う。
食事にしろ病気にしろ人間は常に植物に助けられて生きてきた。

その植物を育てているのは土の中の菌類や虫や動物たちだ。
そんなことは明治以前の人たちはどんな人も知っていたんじゃないかな。
明治以降に何でも学問だと言い出して(西洋の影響)、制度を作り資格がないといけないような世の中に替えられてしまった。

それまでは経験値で世の中は回っていたんだろう。決して資本(お金)は関係なかったんじゃないかな。よく江戸の人は「宵越しの銭はもたねえ」 と言っていたと思う。
この言葉の意味はその日に得た収入はその日のうちに使い果たし、金銭に執着していなかった。それで生活が成り立っていたんだ。

お金があって生活をしている現代人には、考えられない生き方だ。
でもそれが普通の世の中だった。
何もかも西洋人に影響された人々がそれまでの生活を否定し、作り変えていった。
それが良いことなのか悪いことなのか、どうなんだろう?と歴史を調べ始めて考えるようになった。
この数年のおかしな方向に向かってるような気がしてならない。
先日、読売テレビのZIPを見ていて、これから少子化で日本の経済が悪くなっていき、農家も高齢化していき野菜が手に入らなくなっていく。企業も収入が減っていくので、製品の価格を上げていくしかなくなっていくと解説員かな?、そんなことを言っていた。歴史を見ていると資本主義の社会が続いていくとは思えない。気が付き始めている人は増えてきているのでは?

明治時代以降、殖産だと百姓だらけの世界を一気に工業化の世界に塗り替えていった。
工業化で川の水や空気が汚染され、今まで経験したことがなかった病気が蔓延し始めた。
焼き物(陶器や磁器、碍子、人形)、レンガや土管作り、金属精錬、ガラスの加工などで空気や水が汚染され、そんな水を使った畑で米や野菜作り。

何が原因で気管や肺がやられているのか人々はわからない。
喘息や結核などが流行りだした。

西洋の影響で鉛の粉で出来たおしろいを使った化粧も流行りだしたので中毒も蔓延していただろう。鉛は毒だ。(仁JINという漫画で鉛のおしろいの中毒がどれだけ恐ろしいことがが書かれています、因みにペニシリンの作り方も詳しく図解されている。)
汚染されていない地域の人たちは健康だった。

沢から離れて、尾根を登っていく。
まだ葉が付いていない木々の中、ピンク色のミツバツツジの花がよく目立つ。




スミレも標高や咲いている位置でいろんな色が咲いている。
適当なハイキングが楽しい。



まん丸く生えているヤドリギが見えた。この植物は北欧やケルトでは大切な聖なる植物。
薬草としても大事にされてきたヤドリギは北欧神話ではバルドルという光の神様の話に登場する。
ヤドリギの葉や茎を乾燥させたのが生薬のソウキセイ。ソウキセイを煎じて飲むと血圧を下げ、利尿、頭痛の緩和、リウマチ、神経痛、婦人の胎動不安、産後の乳汁不足などに効果があり、漢方の独活寄生丸に配合され腰痛、関節痛、足のしびれ、痛みに効果ありと市販されている。エキスは高血圧、動悸、頻脈(心拍数が増加している状態)、緊張緩和やあがり症などにも効果がある催眠鎮静薬として市販されている。

アセビも満開。
登ってきた尾根と違う尾根から降りていく。この尾根にツキノワグマ撮影のトレイルカメラを2台設置している。



周辺はまだ山桜が咲いている。本来は5月に入ってから咲くシャクナゲが咲き始めていた。
山桜とコラボ写真を撮る。山桜がちょっと遠いのでわかりにくいが。
トレイルカメラの枚数が少ないので、今の時期はあまり動物が歩いていないのかとカメラは回収。

オオカメノキも白い花を咲かせていた。

沢の流れが止まっている所にカエルの卵が沢山産み付けられている。
触ってみると寒天のような弾力。

こちらの沢側にもヤマウツボが1本生えているのをpiccoloさんが発見。こちらは柄に毛が生えているケヤマウツボだ。


日当たりがいいからかニリンソウの花がたくさん咲いていて、どこまで続くんだろうとその可愛らしい花を愛でながら歩けた。
沢沿いの泥や枯れ葉を採取して帰ってから顕微鏡で見てみよう。


帰ってから、トレイルカメラには鹿さんしか映ってなかった。
顕微鏡では、4つの場所で採集したもので今回初めての微生物を見ることが出来た。長細いツボのような形で、殻がたくさん散らばっている。動きがゆっくりだ。
動きが早い微生物もいれば、ぐるぐる回るものや、ゆっくりと動くものや形や動きが皆、個性的で面白い。この微生物たちが私達人間を生かしてくれているんだと言っても過言ではないと思う。食物連鎖の大切さや微生物や菌類や植物や動物に関心がもてるようになったのは山の神様が導いてくれたことだと感謝しかないです。

